「簡単に痩せられる」「医療美容ダイエット」最近こうした“甘い”うたい文句をSNSなどで目にします。使われているのは「GLP-1受容体作動薬(以下GLP-1製剤)」という糖尿病の治療薬です。この薬には食欲を抑える作用があるため、“痩せるクスリ”とうたい、ダイエット目的に自由診療として提供している美容クリニックが増えており、社会問題となっております。
GLP-1は、もともと私たちの体にあるホルモンで、血糖値を下げる働きがあります。GLP-1製剤は、体の外からこのGLP-1を補うお薬で2型糖尿病の治療薬として承認されたものです。糖尿病でない人への使用は、日本では認められていません。ダイエットのために使うことは「適応外」の処方となり、安全性や有効性は確認されていません。副作用として、吐き気、頭痛、めまい、消化器の不調(便秘、下痢)などの症状がみられます。また、命にかかわる急性膵炎や、胆のう炎、低血糖など重篤な副作用も報告されております。
お正月でちょっと太ったので、いろいろなダイエット法を試してみたい、という気持ちもわかります。しかし、そのダイエットは、自分の体をかえって傷付けてしまう場合もあるかもしれないので、ご注意を。
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