「先生、このサプリ、服用してもいいですか？」患者さんが持ってきたサプリの紹介記事には、「飲むだけで驚くほど痩せた！」「1ヶ月でマイナス10キロ！」という口コミが溢れていました。果たして本当でしょうか？
そもそもサプリメントは、日本では「健康補助食品」を指す言葉です。どんな成分がどれだけ入っているのか、わからないまま販売されているのが現状です。医療品ではないため、効果を保証するような書き方は禁止されています。「脂肪だけを燃焼させる」といった薬効などは存在しません。
最近「食べたらやせる」とうたってSNSなどで販売されるゼリーをめぐり、健康被害があいついで報告されました。国内未承認の医薬品成分が含まれ、摂取後に、動悸、頭痛、吐き気などの症状を訴えるなど、健康被害は深刻です。米国では死亡例も報告されております。
食事制限や適度な運動をせずに、サプリメントだけで安全・簡単に痩せることはできません。食べる摂取カロリーが運動などによる消費カロリーを上回っていたら、痩せることは難しいのです。いつの時代もダイエットは多くの人の興味を集めるものですが、その王道は「食事管理」と「運動」です。「魔法のクスリ」の登場はまだまだ先になりそうです。